チャプター 50

ヘンリーの指が濡れた私の髪に絡みつく。腹を立てているはずなのに、その触れ方ひとつで肌がぴりぴりと熱を帯びた。彼の手は私をその場に縫いとめ、燃えるような独占欲がその目に宿っていた。

「おまえは俺のものだ」

唸るような声が、肌の上で震えた。

「サンダースに何を感じていようが、このサムとやらにどう思っていようが、忘れるな。おまえはいつだって俺のものだ」

突き放すべきだった。頬を張るべきだった。彼がこの五年、イザベラに執着し続ける一方で、私のことは疎ましい義務のように扱ってきたのだと、思い知らせてやるべきだった。

けれど、今夜は何かが違っていた。ヘンリーはいつもの冷え切った態度とはまるで逆だ...

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